某日の静岡の山できのこ狩り

乾燥が酷いとの前評判でしたが、シーズン終盤の山のご機嫌を伺いに行ってきたので、その備忘録です。

 

 

前日夜に基地たる道の駅に到着し、まずはその周辺で小手調べです。いつもならば松の下にアカハツやヌメリイグチが歓迎してくれるのですが、聞いていた通りの渇きっぷりに閉口。きのこのきの字さえ見当たらないという有様だったので早々に諦め、お酒を飲んで寝ることに。

翌朝4時過ぎに起床。まだ暗く探索するには早いですが、準備を済ませて出発。最初の目的地である標高1600mエリアに車を停め、明るくなるまで再度仮眠です。いかんせん駐車スペースが限られるので、良いポイントは早めに確保しておかないといけません。

明るくなったので改めて森にエントリー。去年の同じ時期にもフウセンタケ科を収穫した森ですが今年はどうか。

カワムラフウセンタケ類似種
カワムラフウセンタケ類似種
今年も生えてました。やったね!!!

時期はおそらくぴったりなのですが、乾燥のせいできのこ全般に低密度。地形的に湿度が維持されやすいようなのでパラダイスが残されていましたが、それでもなお厳しい状況です。チャナメツムタケにしても相当頑張って歩いてポツポツ見つかる程度。そのような状況にあってこいつは去年とあまり変わらない程度には出てくれている(裏を返せば例年そこまで大量に採れるわけでもない)ので、大きくて食べ出もあることから期待が集まる格好です。

カワムラフウセンタケ類似種

ひたすら距離を稼いでそれなりの量を収穫

 

白く可憐なきのこ

こんな可憐な子も

 

オニナラタケ
オニナラタケ
オニナラタケ!これくらいが食べごろですよね〜

 

ツバアブラシメジ
ツバアブラシメジ
ツバアブラシメジなどぬるりんぼうは少なめ・・・この乾燥では無理もないか。

ただ乾燥のせいか、少ないながらゆっくり大きく成長した子がいて、状態はまずまず。こいつに限らず、滑りのあるきのこ全般が乾いた状態で生えていて掃除が楽でした。どっちがいいんだか・・・いややっぱばっちり雨降ってくれた方がいろんな種類見られて嬉しいに決まってますわ泣

お空綺麗

お空綺麗

途中、気分転換ということで1750m付近のオオモミタケや谷筋のアカモミタケに浮気してみましたが、事前情報の通り完全終了ですごすごと撤退。1600mに戻り、まだ見ていなかった道の反対側も含め範囲を広げて収穫を再開。

チャナメツムタケ

倒木を乗り越えて奥の急斜面の際まで歩き、ようやく見つけたチャナメツムタケ

チャナメは最近なぜだか出会う機会があまり多くないです。よく考えたらシーズン終盤のきのこなので、ハナイグチといった花形のベストシーズンにばかり行ってたら、よほど計算ずくで生えそうな標高をアタックでもしない見つからないのは当然なのかもしれません。

他にもヌメリスギタケモドキを少々収穫し、概ね満足できたところで標高を下げていきます。下界は気温的にはもっと色々生えていてくれそうですが、乾燥は標高を下げるほど酷くなるらしいので期待は薄いか・・・。1100-1200mくらいのエリアでハナイグチを、より低地ではショウゲンジを見つけたいところですが。

手始めに1460mエリアで歩きやすそうな森を見つけてエントリーしましたが何も見つけられず。過去の経験的にもやはりもっと下であろうと一気に標高を下げた1200mエリアの松林ではハツタケ、ヌメリイグチ、クギタケなどマツにつくきのこが少々顔を見せてくれました。そしてカラマツも少し生えていたのでその下を見ていくと

ハナイグチ

状態の良いハナイグチ!

ようやくメインターゲットの一つを確認。これでやっと今日攻めるべき標高が判ったのでした。まあ収量を気にしなければ1600mエリアで遊んだのも全然良いんですがね・・・なんかこう、お土産を持ち帰りたくなるじゃないですか。しかし・・・これだけ乾燥してても律儀に出てくれるものですね。

カラマツ以外にもモミ?の林もありましたが、こちらにはがっつり先客が入っていたようでほぼ収穫は無し。落穂拾いでアカモミタケを少しだけ見つけました。カキシメジっぽいのだけはわんさか取り残されていましたね笑

チャワンタケの仲間

苔とのコントラストが素晴らしい黄金色のチャワンタケの仲間

 

ヤマブドウ
ヤマブドウ
初めてのヤマブドウ

また、道中ヤマブドウを採ったことがないとこぼしていたら、ちょうど良く採りやすい高さに見つけることができたので早速試食。野生の甘酸っぱさに癒されました。

富士山

朝のうちは雲に隠れていた富士山が綺麗に見えました。

 

昼食の後、少しだけ移動して良いアカマツの林にエントリー。実績的にも時期的にもショウゲンジが狙い目でしたが・・・歩けど歩けどきのこ自体見つからず。少しだけ混じっていたカラマツについているのであろうハナイグチがいました・・・本当に律儀だな。

アカヤマタケの仲間?
アカヤマタケの仲間?
アカヤマタケの仲間?

 

ショウゲンジがいないのならばハナイグチをメインに狙うのが良かろうと、また少しだけ標高を下げていきます。1100mエリアに良さげなカラマツ林を見つけたのでエントリーしたところ

ハナイグチ

ハナイグチ多数!見つけるとやっぱり嬉しいです。

 

ヤマガラ

最近覚えた鳴き声を頼りに見上げるとヤマガラが。低地以外にもいるんですね。

 

最後にもう1箇所だけハナイグチ目当てで移動。標高は変わらないので期待値は高めでしたが、少々藪が深すぎてあまり見つけられませんでした。やはり簡単にたくさん収穫できる場所というのは貴重です。

シロヌメリイグチ

美しいシロヌメリイグチがいたので撮影。こいつは鮮度落ちが激しく、食べるならこれくらいが限界だと思っています。傘の開いていない幼菌が至高。

 

ツバアブラシメジ
ハナイグチ
オニナラタケ
クギタケ
ヌメリスギタケモドキ
チャナメツムタケ

カワムラフウセンタケ類似種

今回の取り分

収穫の山分け。ツバアブラシメジ、ハナイグチ、オニナラタケ、クギタケ、ヌメリスギタケモドキ、チャナメツムタケ、カワムラフウセンタケ類似種をいただき!

帰宅後、すぐに料理に取り掛かります。まずはヌメヌメ組に加えてオニナラタケ、クギタケで味噌汁。

ヌメヌメ組とオニナラタケ、クギタケの味噌汁

ヌメヌメ組とオニナラタケ、クギタケの味噌汁

最近覚えたじっくり炒めてから煮る方式で作りましたが、滑りのあるきのこにも問題なく応用できました。旨みも香りもより強く出ていて大満足の逸品!

カワムラフウセンタケ類似種、オニナラタケ、チャナメツムタケの牛すき焼き風炒め煮

カワムラフウセンタケ類似種、オニナラタケ、チャナメツムタケの牛すき焼き風炒め煮

フウセンタケ類が手に入ると大抵すき焼きをやるのですが、盛り付け技術に難ありのためやや苦手としていました。そこで今回は開き直って盛り付けを完全に諦めた煮物に仕立ててみました。材料も工程もほぼ同じなのだから食べたら当然すき焼きでして・・・必要以上に気取らないというのは料理のモチベを維持するのにも重要だなと思いました。

ハナイグチの佃煮

残ったハナイグチとオニナラタケはそれぞれ佃煮に。これはハナイグチ。

教えてもらったレシピで試作。下茹で後、タレでヒタヒタにして10分煮詰め、引き上げてタレをさらに煮詰めてからタレに漬け込みます。ちょっと日和って味薄くし過ぎたかな?でもハナイグチの風味を強く感じられて美味しかったです。オニナラタケも旨味強くてgood。

料理しつつ家事もこなして気づけば3時をまわっていてさすがにぶっ倒れましたが、翌日の用事も無事こなせたのでヨシ!楽しかったー!

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