2024.1.6 あおとりがい貝拾い初め@神奈川

サークルメンバーの何人かで初拾いが企画されてたので、参加してきました。

 

 

Asaさんが送迎してくれるというので、育児の疲れなど考慮しお言葉に甘えることに。なんかお菓子とか用意しておけばよかった・・・気が利かないマンなものですみません。
途中でとるさんを拾い、鎌倉の駐車場であびねこさん、貝熊さんと合流。いざ出陣!

材木座から見た富士山
各々掃貝を開始
材木座の浜に降り、富士山に見守られながら各々掃貝を開始

それぞれ狙いの貝を探していきます。僕はといえばこの浜自体初めてなので、とにかく初見の貝を拾っていくのと、名物の貝を拾うこと。あとサクラガイを集めることが目標でした。

ゲンロクソデガイ、ヤエウメ

早速ゲンロクソデガイをゲット!1番狙ってたやつでした^^

ベニガイと同じような理由で好きな貝ですが、今まで通ってきた浜では拾えない貝の一つでした。第一印象は、思ったよりも小さいなというもの。微小貝ラインをきちんと探す必要がありますね。
写真にもあるようにヤエウメがちょいちょい拾えたので、打ち上げラインの掃貝だけでなく穴だらけの泥岩を探して割ってみると

ニオガイ(多分)

ニオガイ(多分)!小さいけど壊さず無事取り出せました^^

同じような仲間で海外にはテンシノツバサなるものもあるようですが、こちらも十分天使の翼してますね笑 他にもヤエウメなど3種類くらい合弁で取り出せました。泥岩に穿孔する貝はもっと種類あるみたいなので、今後が楽しみです。取り出す道具についてもハンマー使ったりするよりはあびねこさんが貸してくれたドライバーで少しずつ削って穴を拡げるやり方の方が確実性が高そうでした。

サクラガイの碑とサクラガイ
サクラガイの碑とサクラガイ
サクラガイの碑
何気に来るのは初めて

そうこうしているうちに滑川河口まで到達して一区切りとなり、一旦休憩。
ちなみに今回の遠征ではサクラガイ類はそこまで多くなかったのですが、あびねこさん曰く10-12月くらいが一番拾えるとのこと。瓶一杯に集めるなら時期も考えた方がよさそうですね。

材木座の収穫(二枚貝大〜中型)

材木座の収穫(二枚貝大〜中型): カガミガイ、アリソガイ破片、チリボタン、オオモモノハナ×9、マルヒナガイ、ワスレガイ、ゴイサギ、バカガイ、ツキガイモドキ、ヤマトシジミ×2、マルシラトリモドキ×2、シオツガイ×2

 

材木座の収穫(二枚貝小型①)

材木座の収穫(二枚貝小型①): トマヤガイ、カリガネエガイ合弁(分離)、クシケガイ×2、ヒバリガイモドキ、ミドリイガイ合弁×2、オキナマツカゼ、ヒメバカガイ、ナデシコガイ、ヒメアサリ、アサリ×2、チヨノハナガイ×2、ナミマガシワ、ニオガイ×2(うち合弁1・・・分離)

 

材木座の収穫(二枚貝小型②)

材木座の収穫(二枚貝小型②): ヤエウメ×6(うち合弁1・・・分離)、サクラガイ×6、カバザクラ×5、モモノハナガイ×5、ゲンロクソデガイ×4、サギガイ?、ホトトギスガイ

 

材木座の収穫(二枚貝微小)

材木座の収穫(二枚貝微小): ハネマツカゼ、フジノハナガイ合弁、カモメガイ×2

 

材木座の収穫(巻貝など中〜小型)

材木座の収穫(巻貝など中〜小型): ヤカドツノガイ×2、アマオブネガイ、コウダカアオガイ、サメダカラ、クルスガイ×3

 

材木座の収穫(巻貝小型)

材木座の収穫(巻貝小型): クリンイトカケ、オオシイノミガイ、オダマキ破片、クロタマキビ?、キヌボラ×3、不明陸貝 、チグサガイ

 

材木座の収穫(巻貝微小)

材木座の収穫(巻貝微小): 不明クダマキガイ科、ムシボタル、不明イトカケガイ科×2、マメウラシマ(Ringiculina sp.)

 

辛うじて放射彩が確認できる
小月面も薄いが褐色
マルヒナガイは当初はカガミガイだと思っていましたが、帰宅してよくよく見てみると微かに放射彩あり。小月面も薄いながら褐色ということで同定しました。

 

クリンイトカケ

クリンイトカケも当地の名産ということで淡い期待を抱いていましたが、一発で引き当てられるとは。案外少ないわけでもないのかな。

 

マメウラシマsp
マメウラシマsp
マメウラシマはいつかほしいと思ってましたが、今回狙ってたわけではなかったのでちょっとびっくりです。コシラタマかと思って摘み上げましたが、この小ささよ・・・現地では風に飛ばされたり無くしたりしないように必死でした。あとこいつウミウシの仲間なんだとか。殻だけだと想像もつきません。

 

滑川を渡って由比ヶ浜へ移動し、引き続き掃貝。材木座もそうでしたが、河口周辺で最も貝が拾えるという状況でした。少し前にAsaさんが来た時は由比ヶ浜の最も西側の辺りでイトカケガイが多数拾えたようですが、打ち上げが目まぐるしく移ろいますね。

河口から離れるほど貝が顕著に少なくなりのっぺりとした浜になってしまったので、収穫はやや少なめです。

由比ヶ浜の収穫(大〜中型)

由比ヶ浜の収穫(大〜中型): フスマガイ破片、カガミガイ、ウラカガミ、キヌタアゲマキ、イワガキ、アズマニシキ、ゴイサギ×7

 

由比ヶ浜の収穫(中型)

由比ヶ浜の収穫(中型): オニカモメガイ?、オオモモノハナ×2、ヤカドツノガイ、ワスレガイ、シオツガイ、ミドリイガイ合弁

 

由比ヶ浜の収穫(小型)

由比ヶ浜の収穫(小型): モモノハナガイ×11、サクラガイ×3、カバザクラ×3、チヨノハナガイ×3、ウマノアゲマキ、イボヒメトクサ、不明カサガイ類

 

由比ヶ浜の収穫(微小)

由比ヶ浜の収穫(微小): 不明ミミガイ科、キクスズメ?、ゲンロクソデガイ、ネコガイ×2、セキモリ?、ネジガイ生(蓋取り付け作業中に破損・・・廃棄泣)、コシイノミガイ、ハマシイノミガイ、チグサガイ、不明イトカケガイ科×2、タテヨコイトカケ?、マメウラシマ(Ringiculina sp.)×2、ウニ殻×2

 

ウラカガミ(左)、カガミガイ(右)

ウラカガミ(左)とカガミガイ(右)

正直図鑑だけ読んでても全然分からないくらいの違いですが、こうしてそれと分かるもの同士を横並びに比較してみると、特に前背縁の窪み具合が違います。

セキモリ?
セキモリ?
ネジガイ
ネジガイ

セキモリは形だけ見てパッと同定してみましたが・・・図鑑によると褐色の細い色帯が入るようなのですが。。。真っ白ですねぇ。ネジガイは思いがけず拾えた生体だったのに、蓋をつける作業中に殻口を割ってしまいました・・・すごく悔しいですが、完品でないと意味がないので廃棄でorz

それはそうと、Asaさんが前回の遠征でアオサギガイを拾ってたんですよ。僕も拾ってみたかったので、ざっくり拾えそうなエリア教えてもらって掃貝し、それっぽい青みがかったニッコウガイ科を集めてました。
例によってニッコウガイ科検索表であたりをつけていくと・・・どうもアオサギガイとは特徴が一致しません。拾える可能性のある類似種に絞ってクリティカルな違いを列挙します。
・アオサギガイ: 套線湾入が立ち上がる
・ゴイサギ: 後背縁が直線的で套線湾入は左殻の方が深い
・オオモモノハナ: 桃色。仮に色が判断材料にならないとして、左殻の套線湾入はゴイサギほど深くならない
現地では劣化して桃色の無くなってしまったオオモモノハナ説も出ていたので、その可能性も含めて検討。

套線湾入は立ち上がらない

套線湾入は立ち上がらないようなので、アオサギガイは除外。残るはゴイサギとオオモモノハナの識別となります。

 

オオモモノハナと仮定して比較

ゴイサギとオオモモノハナの套線湾入の違いは右殻にはないですが、左殻では前筋痕と套線湾入先端の距離にやや差があるようで・・・ゴイサギを1とするとオオモモノハナでは1.5〜2くらいになるようです。

また、厚さもかなり異なるようで・・・同じサイズくらいの個体で比較すると、ゴイサギはかなり分厚いですが、オオモモノハナではもう少し薄くて華奢な印象を受けました。ゴイサギがこんなに分厚いというのはちょっと驚きでしたが。
全体的な形状(ゴイサギの後背縁は直線的)なども総合的に勘案し、劣化したオオモモノハナ説は棄却。全部ゴイサギということでFAです。アオサギガイは結局拾えなかったのですが、ゴイサギを(材木座のそこそこ新鮮な1枚を含め)初めて拾えたこと、形状や厚さ、産地特有かもですが古くなったときの色彩の変化についての知見を得られて、拾った量以上の収穫でしたね。

いい時間なのでお昼休憩。浜から上がってすぐの海鮮丼とカフェで少し迷いましたが、どちらもちょっとお高そうだったので、次の逗子海岸まで移動してそこのカフェで食べました。

カレー、ジンジャーミルクティー@808Cafe10R

疲れているとカレーが沁みます。ジンジャーミルクティーもめちゃくちゃ美味しかったです。


そのまま逗子海岸へ。材木座や由比ヶ浜と比べるとベニガイが拾いやすいということで俄然奮起して掃貝します。

ベニガイ
ベニガイ
やりました^^ やっと自分で拾えましたよ!

あびねこさんはもっと綺麗なのを拾ってて僕にあげようかと言ってくださいましたが、自分で拾わないと愛着が持てないのでそこは我慢。。。その後も破片は結構見つけましたが、残念ながら完品追加はならず。

逗子海岸の収穫(大〜中型)

逗子海岸の収穫(大〜中型): オオヘビガイ、トリガイ、イセシラガイ×4、ウラカガミ、ツキガイモドキ×7

 

逗子海岸の収穫(中型)

逗子海岸の収穫(中型): ユキガイ?、ナミマガシワ×2、シオサザナミガイ破片、キヌタアゲマキ、ウマノアゲマキ、シナハマグリ、モシオガイ、キイロダカラ、ベニガイ

 

逗子海岸の収穫(小型①)

逗子海岸の収穫(小型①): オオモモノハナ×7、サクラガイ×14(うち合弁1)、カバザクラ×2、モモノハナガイ×7(うち合弁1)

 

逗子海岸の収穫(小型②)

逗子海岸の収穫(小型②): フロガイダマシ、ヤエウメ、ハナガイ、ゲンロクソデガイ×6(うち合弁1)、ホンビノス幼貝?、サギガイ合弁

 

逗子海岸の収穫(微小)

逗子海岸の収穫(微小): イボキサゴ、コシイノミガイ、バイ、イボヒメトクサ、不明イトカケガイ科(シノブガイ?)、タテヨコイトカケ?、イソマイマイ?、マメウラシマ(Ringiculina sp.)

 

やたら整った巻き方のオオヘビガイ

オオヘビガイは通常もっと崩れた巻き方になるので、ここまで綺麗に巻いた殻がしかも打ち上がってたので、珍しく拾ってきてしまいました。小さい穴に砂が詰まってて洗うのが大変だこりゃ^^;

 

イセシラガイ

イセシラガイ。ご当地貝で目標の一つでしたが、運良く完品を1枚得ることができました。非常に割れやすいので、帰宅して無事を確認したときの安堵感は凄まじかったです。脆い貝の運搬方法はもう少し改善した方がいいかもですね。

 

ハナガイ

ハナガイ。昔からほしかった貝です。いつだか一度だけ拾った気がしますが、その時は確か風に飛ばされて紛失してしまったような・・・今回は大事にお持ち帰りしました。新鮮な合弁は滅多に得られませんが、めちゃかっこいいので、次以降の目標としたいところです。写真だと分かりにくいですが僅かに模様が残っていますね。

 

ゲンロクソデガイ合弁
ゲンロクソデガイ合弁
ゲンロクソデガイはこの浜でも思いの外拾えましたが、まさかの合弁を発見。羨望の的でした^^

 

ベニガイ、シオサザナミガイ

もっと良いのを拾いたいシリーズ。ベニガイは焦らしてくれますね〜・・・また逗子に来なきゃです。シオサザナミガイも少ないとはいえここではポツポツ拾えるらしいので、まずは完品を目指したいところです。こんなんでも紫色が美しいですね。

 

というわけで、全部初めての海岸でしたが概ね満足のいく結果で終えることができました。地元のちょっとしょぼい新規開拓の後なので、有名産地の凄さを余計に感じることにはなりました・・・が、しつこく地元の浜にも通っていきたい所存。それはそれとして、鎌倉方面や三浦半島にも沢山足を運びたいものですね。

集合写真

送迎してくれたAsaさん、子供向けのおもちゃをくださった貝熊さん、他今日ご一緒してくださったあび猫さん、とるさん、ありがとうございました。とても楽しかったです!毎度の参加は難しいですが、ビーチコも漁港巡りもまた誘ってください!

では〜

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