結婚して静岡の山に頻繁に行くことはできなくなりましたが、久しぶりに行ってきました。
今回はともさんが一緒です。最近はともさんの方がよっぽど回数行っているので、ポイントの選定や地形を見た時に生えていそうな場所の見極め、プロ級の現地民の行動を踏まえた探索エリアの選定といった知見ではもうともさんに全く敵いません。僕と一緒に行くことでのともさんのメリットは・・・同定力くらいでしょうか?それもすぐに追い越されそうですが・・・せっかくなので気にせず上級者に甘えていきましょう。
7時過ぎには麓に到着。まずはあまり行ったことのない林道を攻めましたが、どうにも藪が濃くて微妙な様子。次いで別の林道にアタック。今度は藪については遥かにマシで、その上谷状の地形となっており期待感も上がります。
状態は良さそうでしたが数は多くはなく、味噌汁一杯分くらいでしょうか。同じエリアではハナイグチも数本見かけました・・・もうとっくに終わったものとばかり思っていたのですが。なんかよくわからん状況です。夏場に雨が少なかったのが原因でしょうか。
小さい尾根を越えると砂防ダムのある谷筋に到達。一旦ここを下降して林道に戻ることに。谷筋のきのこといえば。
僕の探索方法ではそもそも遭遇率の低いきのこでしたが(沢筋の枯れ木に多いらしい)、今回はドンピシャでしたね〜。それにしても・・・おああああ〜良い状態!めちゃくちゃ美味しそう!!!そしてかわいい!!!!!
しかしこのエリアはそのくらいで後が続かなかったので、2〜3合目くらいまで登ってみることに。ハナイグチも終わりかけで1合目に降りてきているくらいなのでもっと上の方は期待はしていませんでしたが・・・こういう普通じゃない時は何がどこに生えているかわからないですからね。
当初はシンプルにカワムラフウセンタケと判断していましたが、歩きながら観察していると違和感が。よく見ると未成熟のひだがやたら黄土色なのです。他の特徴はよく一致しているように見えますが、ひだの色だけが明らかに異なる。近縁種ではあるのでしょうが・・・。カワムラフウセンタケだと思って多数採取してしまっていたので、せっかくですし鑑定してもらうことにしました。
他のきのこの多様性もこのエリアが一番高かったです。めちゃくちゃたくさん生えていたというわけでもなかったですが
これは本当に分からない展開だぞということで、さらに4合目も攻めてみることに。車を降りてさあ林内に入るぞというとこの出会いでした。
遠見ではマツタケかと思いましたが、なんかやたら白っぽい。記憶を漁ってオオモミタケに行き着いたのでした。こんな大物が残っているなんて・・・!
望外の、それも文字通り大収穫に気を良くして斜面をよじ登ります。ここもまずまずの出かたで時間さえあればもっと色々収穫できそうでしたが、もうお昼をまわっていたので短時間のチェックに留めました。
ちょっと興奮し過ぎてともさんと逸れてしまったので連絡を取ると、森に入ってすぐのあたりで待っててくれてたと。ごめんさい。。。急いで戻ると、ともさんがオオモミタケの極上の幼菌をいくつか収穫して待っていました。すげーー・・・半分埋れてるのによく見つけたもんです。なんでもある一角だけに生えていて、他の場所は人の入った形跡があったのだとか。そうやって他人の痕跡に気がついて行動をフレキシブルに変えるの、僕もできるようになりたいです。地形読みよりは簡単でしょうし。
休憩後は0合目のアミタケやショウゲンジ狙いの予定でしたが、その前に寄り道。例のカワムラフウセンタケ類似種の鑑定が目的です。鑑定の結果、やはりカワムラフウセンタケに類似するが図鑑に載っていない別種で、皆気にせず食べているとのことでした。ほ〜〜〜なるほど・・・。正直別種と分かってはいたので捨てる覚悟さえしていましたが、これなら持ち帰ってもいいですね。しかし、また区別せずに利用されている案件か・・・フウセンタケ科は特にそういうのが多い印象です。
後日、柴さんが筑波実験植物園のきのこ展でフウセンタケ科の専門家に遭遇してこの件を質問してくれて、その人も分かんなかったそうです。やはりフウセンタケ科は難しい・・・!
また、ホテイシメジの利用方法についても教わることができました。ホテイシメジと酒類を一緒に摂取すると悪酔いのような状態になるため、僕は今まで採取対象外としてきました。だってせっかく美味いもん食うんだからお酒も飲みたいじゃないですか。しかしそんなに美味しい食べ方があるとは・・・次回のきのこ狩りではホテイシメジも獲物に加えてみましょうかね。
鑑定を終えて0合目のポイントへ。ここも人が入っていて苦戦しましたが、それを踏まえて見逃しやすそうなポイントをじっくり探し、お土産にできる程度にはショウゲンジやらを収穫できたのでした。
山分け大会。ともさんがいつの間にか収穫していたクロカワや、オオモミタケ幼菌をお裾分けいただいちゃいました。自力で見つけられたらいいなぁ〜。今日もご一緒させてくださりありがとうございました!
帰宅していくらかお裾分けも済ませて、いざ調理開始!食べるまでがきのこ狩りです!
すき焼きに。フウセンタケ系は土臭さ(フウセンタケ臭さ?)が強めなものが多いので、濃いめの味付けがいいようです。出汁もよく出るので、煮込みがいいんですね〜。いろんな人におすすめされましたが、やはりすき焼きは最たるものかと。臭いがカバーされつつ甘みや旨味を感じられてとても美味しかったです。
ちなみにショウゲンジ、カワムラフウセンタケ近縁種はいくらかお裾分けしましたが、うちよりも美味そうなすき焼きに仕上がっていました。僕ももっと美味しそうに作れるようになりたいな〜。
捻りもへったくれも無いですが、簡単だし野趣に溢れていて、きのこ料理で一番好きまであります。すき焼きのくだりでは土臭さを除きにいきましたが、味噌汁はむしろこの土臭さがいいんですよ!
キハツダケって旨味はそこまででもないし苦味があるので単体だとそこまで評価高くないんですが、混ぜご飯に入れるとほろ苦さや森の香りで飛びそうになるくらい美味いんですよね。鶏肉との相性もgood。たくさん採れるし個人的にはすごく好きです。
おいしーーーですが、諸手を挙げて持て囃すほどとは感じませんでした。お子ちゃま舌だからなのでしょうか・・・別に苦いのが嫌いなわけじゃないんですが。
後日、鉄板の食べ方であるというクロカワ三杯酢を試す機会に恵まれました。美味しいのですが、これもまた評判ほどか・・・?という感想。自分の中でハードルが勝手に高く設定されてしまっているのでしょうか。
天ぷらは図鑑に載ってるレシピの中では一番美味そうなのでやってみましたが、売ってるきのこ級ですねこれは。肉厚で食べ出がありますし、旨味も強い。爽やかな森の香りも少し感じます。しかしそれ以上にバターソテーがめちゃくちゃ美味しかったです。これもきのこ屋で鑑定の際に教えてもらった食べ方ですが、さすがはプロといったところか。
全体としてかなりバリエーション豊富な収穫でした。臨機応変に標高を変えたり人の入っていなさそうなエリアに行ったりしたのが功を奏したみたいです。オオモミタケに関してはまぐれに近いかもしれませんが、発生時期やエリアを覚えておいても損はないでしょうね。あと今回のカワムラフウセンタケ近縁種(さっきから長ぇ・・・)!普通に美味しかったりそれなりにまとまった量採れるので、同じく発生時期と場所を覚えて獲物リストに追加しなければ。味もさることながら、採り集めた時の見た目の美しさも高評価です。だってカゴの中が色とりどりだとテンション上がるじゃないですかw
そんな感じで、自分で識別して採取して美味しく食べることのできる種類が新しく増えた遠征でした。
では〜