2019.5.1 令和元年初拾い(その1)

特に時代の変わり目を意識してたわけでもないですが、GWに沖縄で貝拾いをしようとして飛行機のチケット代その他を最適化したら令和開幕から貝拾いとなりました。

 

 

拾った量が若干多めなので2回に分けてお送りします。まずは1日目。

前日の夜出発の便で沖縄入り。空港に降り立った瞬間の蒸し暑さに亜熱帯を実感します。ただ実感したくない亜熱帯もあって、空は雲に覆われひっきりなしに雷光が。予定では最干潮が深夜で雨が本降りになるまでに十分な時間が確保できそうだったので、そのまま初イザリ。
ポイントはいつものハナマル岬ですが、三浦と違って周囲に明かりもランドマークもなくて危険度では数段上。以前日中に降り口をロストした結果長時間満ちてくる海に怯えながら彷徨ったことがあるので、時間があっても調子に乗って遠出は禁物です。ああ誰かと来たい・・・怖い・・・。

レンタカー屋のバス出発がかなり遅かったので、最干潮を過ぎた頃合いに到着。既に上げ潮なのであまり無理はできません。どちらにせよいつ雷雨に見舞われるか分かったもんじゃないので、恐々と近場から徐々に冲を目指します。

日中と違ってやっぱり生体がたくさん見られます。クモヒトデに始まり、ノシガイなんかの小型の巻貝が多数。キヌカツギイモやマダライモなんかもゴロゴロ出歩いていました。お目当てのタカラガイはというと

ハナビラダカラ

ハナビラダカラ

ハナビラダカラが多数。外套膜が完全に出ていてちょっと分かりにくかったです。
でもそれだけ。他の種類は見つけられませんでした。ヒメホシダカラやホシキヌタなんかはリーフエッジ近くまで行かないといなかったように思います。まあ今夜は無理ですね。

遠くは怖くて行けなかったので、ちょっと岸寄りを探索。大きなニョロニョロが目に入りました。

ウツボ

ウツボ!小ぶりだからあまり食いではないかな?こんな浅場にも普通にいるんですね。かわええ。

ハナワイモ

タカラガイ以外の生体では、今まで見かけなかったハナワイモをkeep。軟体はピンク色でした。

沖まで出られず、左右に遠くまで行けず。となると行動範囲がかなり限られてしまいます。それならば・・・と考え、以前潮溜まりにたくさん貝があって考えなしに持ち帰ったらヤドカリだらけだったのを思い出しました。方針を転換し、ヤドカリポイントに向かいます。

狙い通りヤドカリの集会所を見つけることができたので物色。以前と同様、やたらと豪華な殻を背負っていますね。ジェノサイド・・・まああまりたくさん持ち帰るとにほひが大変なことになるのでほどほどにですがw

初イザリの収穫です。

ニシキノキバフデ、イワカワウネボラ、シロミオキニシ、ハイイロミナシ、ハナワイモ、ムラサキツノマタモドキ、ショウジョウラ
本当に豪華。オキニシ科をよく見る気がします。イワカワウネボラは色が濃い上に特大です。ハイイロミナシも殻皮残りで良品でした。令和初日から思考が冴えています。
ハナワイモは蓋つき標本として完成してから上げたかったんですが、なかなか臭いが取れず、このままだといつまでたっても記事を公開できないので、公開を優先しました。

その後北部方面を目指して移動。virolさんの行程を参考に深夜到着で掃貝した後に宿・・・と行きたいとこですが、そこは若さと気合とバイタリティで初日は車中泊。どっかに風呂だけ入れるとこ見つけたいですねぇ。
高速のPAで力尽きて仮眠。ここんとこカミツキガメを捕まえるために野宿したりで強行軍が続いてたので疲れがたまってますね。もうちょい早めに休憩すればよかった。

A&Wで早めの朝食をとり、この日は夜明けとともにSKTから開始。いつもは空いた時間に急いで見るポイントなので、じっくり掃貝するのは初めてかもしれません。
特に荒れたりもしていないので、サンゴ礫の量は少なめ。それでもいつもの面々が顔を見せてくれました。ジャノメダカラもしっかり拾えて大物ポイント感も健在です。

SKTの収穫です。

タカラガイ(大〜中型): ジャノメダカラ、タルダカラ、アミメダカラ、クチムラサキダカラ×3、シボリダカラ×2、アリソンエダカラ、マメシボリダカラ×9、リュウキュウダカラ×13、ヨツメダカラ×4、リュウキュウダカラ(ヨツメダカラ5個としてたもののうち左から2番目)、ナツメモドキ(成貝×1、幼貝×1)
リュウキュウダカラ、最大更新。24.0mm
ヨツメダカラ、最大更新。22.2mm

ツマムラサキメダカラ

タカラガイ(小型): ツマムラサキメダカラ×14

ナツメモドキ幼貝

この幼貝、現地ではリュウキュウダカラの幼貝を疑ったりもしました。点列が早くから色帯に変わるのが大きな特徴なんですよね。ただ、ナツメモドキも初期は点列が出て似ているのでちょっと微妙。確率的にはナツメモドキかな。タカラガイ・ブックちゃんと確認しなきゃ。→殻の内側が濃い紫色で、色帯の端が濃色になっていないことから、ナツメモドキでよさそうです。

タカラガイ以外: ツボイモ?破片、シロマダライモ×2、メノウイモモドキ×2、マクラソデ、クチベニアラフデ、ヒトハサンゴヤドリ、ベニアラレボラ、シラタマガイ類×6、不明×2 、アラレオトメフデ
殻口が下膨れに広がるアンボイナタイプということで、おそらくツボイモでいいかな・・・またしても悔しい破片。いつか完品拾ってやる。他では、クチベニアラフデ完品が嬉しい拾い物でした。

SKTの掃貝を終えた時点で8時にもなってませんでした。これいいな。確かに車中泊しんどいですが、強制的に夜明けから行動できるので時間に無駄がない。
A&W浜といえばサンゴ礫をホリホリするべき浜なのですが、出発時にいつものスコップが見つからず、道中入手もできなかったので今日は手ぶら。手で掘るのはあまりにキツいので、ホリホリなしの表面掃貝に留めます。それでも良品を得られるのがすごいですね。連休中で拾い尽くされてることも危惧していましたが、この日は雨だったので同業者にも会わず。雨なのが良かったかもしれません。

カラスキ
カラスキ

こんなのが普通に表面に落ちてましたし。口をあんぐり開けて放心してしまいました。

雨なので最中の写真は以降も少なめ。A&W浜の収穫です。

タカラガイ(小型): メノウチドリダカラ、チドリダカラ×4、コゲチドリダカラ、ヤナギシボリダカラ、カノコダカラ×3、イボダカラ×2、メダカラ×2、クロダカラ、ハナビラダカラ、アジロダカラ×2、カミスジダカラ×4、サバダカラ×3、ホンサバダカラ、ツマムラサキメダカラ×31、ツマベニメダカラ、ゴマフダカラ×5、ヒナメダカラ×7、エダカラ幼貝?
イボダカラ、最小更新。14.1mm
ゴマフダカラ、最小更新。8.6mm
カノコダカラ、最小更新。14.0mm
ハナビラダカラ、最小タイ。12.1mm
ホンサバダカラ、最小更新。9.8mm
ヒナメダカラ、最大更新。12.0mm
同、最小更新。7.9mm

タカラガイ以外(大型): オキニシ、クチムラサキオキニシ、カラスキ、メオニノツノガイ(殻口紫)
カラスキがとんでもなく嬉しい。もはやこれ1個だけで十分満足できます。

メオニノツノガイ

ところでメオニノツノガイの殻口って紫色になるもんでしたっけ?それともコンタミ?紫色になるコンタミって聞いたことがないですが、Asaさんのクチムラサキエダカラみたいのもありますしね・・・。

タカラガイ以外(小型): トミガイ?、モクメダマ、ハマヅト、マルフトコロ、ベニアラレボラ×2、コベニフデ? マユフデ、エゾバイ科? ベニマキガイ、Prodotia lannumi、ゴマフヌカボラ、セコバイ科? ヒモカケシリキレボラ、アマオブネガイ科
モクメダマはようやく普通サイズが拾えました。最近少ないらしいです。

タカラガイ以外(微小): 不明、ナツモモ?、ムラサキサンショウスガイ?、ウミコハクガイ?、アラウズマキ?

タカラガイ以外(シラタマ系): シラタマガイ類×270、バラフシラタマ

(なんだかSKTとA&W浜のタカラガイがいつの間にか一緒になっててツマムラサキ以外全部SKTの方に入っちゃってるような気がするんですよねー・・・その他の貝は各々浜ごとに特徴あるのが入ってて分かるんですが。すごいモヤっとしますが、やっちまったもんはしょうがないってことで。あーあ、さっさと袋ごとの写真撮らなきゃ)

ひとしきり表面を掃貝してあとは掘ることしかできなくなってきたので、潮位を見て最近行っていなかったSDKに行くことに。なんでも干出した磯が良いのだとか。確かに普通に拾うより良いものが多かったです。偵察程度だったのと、直後に激しい雷雨が予想されたので、短めの採集となりました。

SDKの収穫です。

チョウセンフデ、クロフモドキ、ゴマフイモ、サキボソカニモリ生
サキボソカニモリ、前に拾ったのは黄土色でしたが、これは明らかにピンク色。綺麗だけど種類違う・・・?

雷雨をうまいこと避け、昼食で久しぶりにソーキそば。非常にあっさりしたスープで麺と絡みにくいため、ことソーキそばに関しては花より団子的な感じで肉一辺倒な嗜好でしたが、ここのスープは肉の甘さが出てて一体感があって良きでした。肉の分量が多いメニューだったのも一因かも。ソーキそばとしてはコッテリ系ですし。他のお客さんの会話でも、「オーソドックスで確実に美味しい」的なのが聞こえました。

雨脚が若干弱まったのを見て近未来的ビーチへ。去年も雨の中ちまちまと微小貝拾ってた気がしますね・・・。まあここは微小貝がメインみたいなものですしそうなるのも当然か。
ひたすらに雨が降り続いて文字どおり濡れ手で粟ならぬ濡れ手でシラタマ。写真も無しです。でもめっちゃ良いもの拾えましたよ!

近未来的ビーチの収穫です。

タカラガイ: ハラダカラ破片、タルダカラ、ヒロクチダカラ(成貝×3、幼貝×2)、ヨツメダカラ×7、リュウキュウダカラ、シボリダカラ×2、キイロダカラ、メダカラ×2、ホシキヌタ幼貝、ゴマフダカラ、クロシオダカラ、ツマムラサキメダカラ
ゴマフダカラ、最大更新。14.8mm

ヒロクチダカラ

過去最高のクオリティのヒロクチダカラが、文字どおり地味ですが嬉しいです。これでも一皮剥けてる・・・数は落ちてるのに美品は本当に少ないです。

ハラダカラ
ハラダカラ
ハラダカラ
ハラダカラ

こちら、ぱっと見でヤクシマダカラの破片かと思いつつも、最近密かに狙っていたハラダカラを疑って確認。歯列の彩色が見られず、サイドスポットもやけに不揃い。腹面は、なんだかアカハラを思わせるような濃色の滑層が残存しています。これは!と思いtwitterに投げ、Asaさんとvirolさんのお墨付きを得て確信。まさかここで拾えるとは・・・。破片ですが国産タカラガイ64種類目!!!!!

タカラガイ以外(中型): エンジイモ破片 シロアンボイナ破片?、アジロイモ、ナガシマイモ、コモンイモ、シロフタスジギリ?、イチョウガイ、シロスジナデシコ
賑やかしで色々と拾っていますが、こちらも悪くない収穫。特にエンジイモは破片とはいえ初物ですね。あとイチョウガイ・・・また破片か・・・。

タカラガイ以外(小型): ベニアラレボラ、タモトガイ、タマガイ科、アッキガイ科×2、ジュズカケカニモリ、フデガイ科×4、ヘソワゴマ?、ヒラマキナワメグルマ、不明、ムラサキサンショウスガイ×3

シラタマ混じり物微小、お気に入り達。不明×2、モロハボラ、カヤノミガイ系×3、オレンジシラタマ×3、バラフシラタマ×2、ホソナガシラタマ、ウミウサギ科×5

ヤナギシボリキジビキ、キジビキガイ

気になる子を接写。ヤナギシボリキジビキ、キジビキガイかな。ちゅうかこれもここで拾えるとは思ってませんでした。

ホソナガシラタマ
ホソナガシラタマ

ホソナガシラタマ。こいつは超レアですね。すっげー。初見ははらはちさんとこの記事だったかな。本気で微小貝を探すときは砂ごと持ち帰るみたいですが、まあそうやって探さないと普通はこんなの見つかりませんよね〜。

ウミウサギ科、この3個は色付き。ムラクモコダマウサギと・・・わからん。 、ノコギリバケボリ、ツマニケボリ


その他シラタマ系。シラタマガイ類×328、コシラタマ×17

いやー、タカラガイ方面は若干渋い(それでもハラダカラの破片あるから十分にヤバい)ですが、他で場外ホームラン連発でした。これは祝勝会せねば。ということで

宿の近くのステーキ。ごち。
本当はその夜もイザリに行こうとしたんですが、目覚ましで起きるも二度寝してあえなく失敗。体力的に限界でした。最初から行かないと決めてビールやればよかったなーと後悔。これ2日目以降もなんですよね・・・。まあ良いもの拾えればよしということで!

2019.5.15 追記
SKTの不明貝のうち1個をアラレオトメフデに修正 virolさんご指摘
近未来的ビーチの不明ウサギをそれぞれノコギリバケボリ、ツマニケボリに修正 kikiさんご指摘

2日目に続く