タイトルの通り。過去の収穫を眺めてたら違和感があったので。
周りの3個はリュウキュウダカラ。真っ白で形も似てたので、リュウキュウダカラと思い込んでました。
・殻口に歯が存在するので、ウミウサギの仲間である可能性は低い。
→タカラガイの仲間
・外唇歯が明確に形成されているので、成貝であることはほぼ確実。
・歯は内唇側、外唇側共に短く非常に細かい。特に内唇歯は伸びてない。
→成貝なので、歯が未発達というわけではない。
・前後端は染まらない。また、斑点もない。
・背面の模様はないが、摩耗と褪色によると考えられる。
・螺塔は茶色く染まっている。
・腹面内唇側に、微かであるが茶色の色帯が少なくとも2本確認できる。
→成貝になると色帯の隠れる種類は除外。
・側面、腹面共に斑点はない。
・前後端が急速にすぼまる紡錘形。
・後端の外唇側は大きく盛り上がった形状。
以上の特徴に近い国産のタカラガイを、タカラガイ・ブックから選択する。
まずは大雑把に。下記の通り。
・ツマムラサキメダカラ
・ツマベニメダカラ
・ヒナメダカラ
・ハモンドダカラ
・クロシオダカラ
・キムスメダカラ
・ヨツメダカラ
・マメシボリダカラ
・リュウキュウダカラ
・ゴマフダカラ
・マルチンダカラ
・ジュズダマダカラ
考察。この個体の特徴に使えるのは形状と色帯のみ。
ツマムラサキメダカラはもっと歯の刻みが荒い。除外。
ツマベニメダカラ、同上。
ハモンドダカラ、同上。側斑が一切ない点からも。
クロシオダカラの亜成貝は似ているが、側斑がないこと、色帯がないことから除外。
キムスメダカラの亜成貝は似ているが、歯が非常に荒い。除外。
ヨツメダカラだとしたら少なくとも成貝ではない。幼貝ならば歯が荒いし、
螺塔側から見て後端が強く捲り上がっている点が異なる。除外。
マメシボリダカラ。亜成貝は似ているが、亜成貝の時点で既に内唇歯がかなり伸びる。除外。
リュウキュウダカラ。同上。
ゴマフダカラ。前後端の斑点がないが、そもそも擦れやすいので苦しいかもしれない。
ただし、亜成貝は図鑑を見る限りもっと薄質。成貝は内唇歯が伸びる。
問題のタカラガイは成貝と考えられるので、除外してよいと考える。
マルチンダカラ、同上。
ジュズダマダカラ、同上。
以上、主に形状の観点から殆ど除外。唯一ヒナメダカラのみが形状による選別に耐え、成貝でも腹面に色帯が出る。深海性の稀産種は可能性的に除外でよいとは思うが、いずれにせよ殆どはゴマフとかマルチンあたりの理由で除外。従って、投棄モノである可能性を排除した場合、ヒナメダカラである可能性が最も高い。
前後端が紫になってないのが気になります。僅かにでも色帯が残ってるなら、紫はもっと強く残っていてもいいのでは。
・・・とまあ、くそまじめに考察してみましたが、果たしてどうなんでしょう。詳しい方、教えて下さい〜。
2018.2.3 追記
晴れてヒナメダカラで確定!サイズは10.7mm。採集は2017年3月12日or13日、A&W浜。自己採集可能な国産のタカラガイ70種のうち、55種目です!破片のみのキムスメダカラとムラクモダカラを含めれば57種!やったね!
(補足:比較画像のリュウキュウダカラは19.2 - 21.3mm。)